毎日の学び

「人工股関節置換術(THA)の覚え方完全ガイド|初心者でもわかる機械出しのコツ」

1. はじめに

こんばんは、オペ室看護師くらげです。
今日は、人工股関節全置換術(THA)の覚え方についてお話しします。
初めて機械出しに入るとき、多くの道具や手順に圧倒されるかもしれません…。

でも大丈夫!流れがわかれば全然難しくありません!全体を掴んでから、細かいところを段階的に覚えるだけ!

今回は実際に自分が実践している方法を紹介します。

2. 整形外科全般の基本ポイント

整形外科手術で重要なのは、 「インプラント(何を入れるか)」 をしっかり把握することです。
具体的には:

  • パーツごとの理解:部品を一つずつ覚えること。
  • 手順の把握:必要なステップを頭に入れることで、機械が使いやすくなります。

人工物手術のコツは「インプラントとトライアルは別の構成をしていることがある」ということを頭の片隅に入れておくことです。

トライアルとは簡単に言うと、”お試し”のことで、患者さんごとのちょうどいいサイズを調整するために行う工程です。

THAの場合だと、インプラントのステムと呼ばれる部品がネックと分かれていることが多いです。

これはネックの部分で”スタンダード”と”ハイオフ”とよばれるパーツを選べるからです。

ここではハイオフの詳細は省きますが、興味のある方はこちらのブログを参考にしてみてください。

3. THAの構成パーツ

THAでは主に以下のパーツを覚える必要があります:

  • カップ(シェルともいう):寛骨臼に入るパーツ
  • スクリュー:カップを寛骨臼に固定するパーツ
  • ライナー:カップと一緒に寛骨臼の役割を担うパーツ
  • ヘッド:カップに収まるパーツ
  • ステム:大腿骨の内部に設置するパーツ

よく似た術式に、BHA(人工骨頭置換術)がありますが、THAとBHAは別物です。

ここを理解しておかないと術中に頭の中がゴチャゴチャになります。シンプルに覚えるなら、臼蓋をいじるのがTHA、いじらないのがBHAです。

BHA(人工骨頭置換術)の場合はTHAより構成パーツが少なく、シンプルです:

  • バイポーラカップ
  • ヘッド
  • ステム

細かく言うと、THAのカップ=BHAのバイポーラカップではありません。名前は似ていますが、実際のインプラントは形も材質も違います。

はじめのイメージとしてはBHAのインプラントに加えて、臼蓋に固定するカップ、スクリュー、ライナーが増えます。

より詳しく知りたい方はこちらのブログを参考にしてください。

4. 機械出しのコツ

THAやTHAでは使用する機械が多く、管理が非常に重要です。

ポイントとして:

  • 必要な機械を整理:使う順番に並べる。
  • レトラクターを理解:軟部組織の展開に使われる器具。形状や番号、名前を把握する必要があります。
  • 施設ごとの違いを把握:流れは基本的に同じでも、微妙な違いに注意。特に、レトラクターの呼び方は各施設や執刀医によって変わってくるので、事前に確認が必要です。

最近ではマジックタワーというレトラクターを固定する器械もあって、レトラクターの種類もたくさんあったりします。

人工物では特に、見た目が大きく変わるレトラクターが色々あるので、見た目の印象で執刀医が要求してくることもあります。

5. 術中のコミュニケーション

人工股関節手術では、清潔ヘルメットを着用するため音声が聞き取りにくいことがあります。

  • よく使われる言葉を覚える:スムーズな対応が可能に。
  • 先生の癖に慣れる:個々の呼び方や指示に応じられるようにしておく。

これはそのままですね。

ヘルメットをかぶるととにかく聞き取りにくいです!緊張すると違う言葉に聞こえることも多々あるます…。

聞き取れないときは助手が今使いそうなものを状況から考えたり、手術がいまどんな状況なのかを考えながら器械を出します。

手術の流れについては時間がないので、また次回にしたいと思います!

まとめ

  • インプラントを理解することが基本:特にパーツ構成(カップ、スクリュー、ライナー、ヘッド、ステムなど)。
  • 機械出しの整理と管理が重要:準備が7割!道具をいかに使う順番に並べるかが勝負!
  • レトラクターを把握することがカギ:形や名前、執刀医ごとの呼び方の理解が必須。
  • 術中のコミュニケーション能力を磨く:先生の癖や声の聞き取りに対応する力をつける。

これで今日の話は終わりです!最後までご覧いただきありがとうございました。オペ室看護師くらげでした。

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